こころ

日常生活がこんなに楽しいと忘れてしまうほど、激しく働くとは

前に働いていた会社は、半分心を病んでしまうような環境でした。この間、今もその会社に勤めているという人と話して、ふと当時の闇の中にいるかの気持ちを思い出しました。

久々に会った彼女は、顔も青く、前に一緒働いていた頃に比べると、全く覇気がなかった。前だったら、ある程度笑い飛ばせたことも、もう考えるだけで辛い、という状態になってしまっていました。

パワハラだとかという言葉では言い表せない空気感

資金調達をしたために調達先の会社に良い成果を報告せねばならず、誰もがいろんな仕事をこなさなくてはならない状況。こういった状況は、どの会社もある程度通る道かもしれません。

そんな時に大切にしたいのは、きちんと社員が連携しあい、お互いのやっていることを理解をして、仕事を回していくということ。

ところが、声の大きな人や、コネクションで入社してきたり昔からの付き合いがあって結託している人がいると、なかなか仕事がうまく回りません。

「君のためにアドバイスしているのに、何度言ってもどうして変われないんだ」「君ならやれると思って配役したのに、やれないなら最初からいってほしい」などもっともらしい言葉で、上司に指導をいただくことが多かったです。

その上司と仲がいい人や結託している人が「そうだそうだ!」と言わんばかりに便乗したり、面倒だからと我関せずでいる人がいたり。毎日誰とも認識があわず、落ち込む日々でした。

毎晩12時近くまで働いて、家の近くの川べりに立ち、ぼうっと反対側の河岸を見つめるのが日課となりました。

期待に応えられない自分が悪いという不思議な罪悪感

今思うと、「自分の思いを理解してほしい。自分の仕事を認めてほしい」という極めて私的な気持ちがあったのだなあと改めて思います。

上司にアドバイスしてもらって、そのアドバイスや思いに応えられれば自分は一人前に認めてもらって、仕事もうまく回るんだ!という錯覚もありました。それは自分の首をどんどん苦しめ、なぜこんなに自分はできないダメな人間なのだろう、とも思っていました。

30代になり、同世代の友達はそれなりの役職についたり、独立したりと、目覚ましい活躍をしているのをSNSで見て、自分はなんてダメなのだろうと比較していました。自分がもっと仕事で活躍したい、世の中に認められたいと思っていました。

蟹穴主義で生きていこう

今となっては、どうしてそんな無理なことを考えていたのだろう、と思います。まず、自分は人に評価されなくてももっと自分の活躍できる道を模索できる、という視点がなかったなぁと思います。

また、「人にはできることとできないことがある」「自分の持っているうつわに見合うことをやった方が能力は発揮しやすい」という観点がなかったな〜と思います。

今度新札の人になる渋沢栄一もこのように言っています。

世の中には随分自分の力を過言して
非望を起こす人もあるが、
余り進むことばかり知って、
分を守ることを知らぬと、
飛んだ問違を惹き起こすことがある。

私は蟹は甲羅に似せて穴を掘るという主義で、
渋沢の分を守るということに心掛けてる。

http://blog.livedoor.jp/shibusawaken/archives/8792251.html

自分の得意な分野を強みにして進んだ方が周りの視野も開けそうなものを、上司の型に自らハマろうとしていたとは、情けない話です。

精神的な限界で転職しました

対外的には、「体調不良が続くので(喘息になるなど結構本当の話)」や「自分でやりたいことがあるので」という理由で離職しましたが、1番の理由は、ここにずっといたら、自分の体も心も無くなってしまいそうだという恐怖から逃れるためでした。

でも今は、本当にそれで良かったと思います。面と向かって「この会社で心を病んだからだよ!」なんていう勇気はないし、そんなことを言ってもまともに取り合う感じにはならなそうだし、自分の心が会社に認めてもらおうと依存していたと言うこともあったので。

当時と今を振り返って

当時は、私生活などないほど1日中仕事漬けの日々を送っていたので、24時間パソコンや携帯を眺め、食事は外食中心、家には寝に帰る、と言う状態でした。

転職した今、毎日定時で帰宅して、自分のために食事を作ったり、ぼーっとしたり、未来のことを考えたりする時間があることで、私生活をカスタムすることってこんなに楽しいのか!と開眼する思いです。

でもきっと、こんな今の幸せを感じれるのも、前の会社での経験があったからだと思います。私には、こう言う生活スタイルがあっている、と言うことなだけで、四六時中働いていることが生きがいな人もいるはず。何かを経験したからこそ、自分の新しい選択肢に出会って、昔を振り返って選択が出来るしカスタマイズもできる。

人生には無駄ってないですね。